プロジェクトチームを結成して効率的に開発を進めるための手法として、スクラム開発が取り入れられるようになりました。その現場ではエンジニアの忙しさが分散されることにより、過酷な労働が個人に集中するような環境が緩和されていることがあります。
スクラムの組み方として、どのエンジニアも全ての仕事に携われるようにし、仕事を適宜分散させ、協力して進めるのが原則です。そのため、特定のエンジニアに仕事が集中してしまう事態になりにくく、連日残業になって休日出勤をしてようやく納期に間に合わせるというようなことは起こりにくくなるでしょう。
もしそれが起こるとすると、全員がそのような過酷な労働環境になりますが、その状況を生まないために納期の調節や人員の追加を行うかの判断をする場を設けるのもスクラムマスターの役割です。換言すれば、スクラム開発を行っている現場でのエンジニアの忙しさは、スクラムマスターの手腕によって大きく左右されるということです。
労働環境の良し悪しを選んで働きたいなら、スクラム開発をしている現場を選ぶのはエンジニアにとって賢い判断と言えます。しかし、他の現場に見られるような過酷な労働環境にはならずに済む場合があるものの、スクラムマスターがメンバーの実情をよく把握していない場合には、劣悪な環境ができてしまったときにも改善が難しいというリスクがあります。そうなってしまうと、やはり忙しさに追われる日々になってしまう可能性もあるのです。
そのため、リーダー的役割を担う人物の手腕をよく吟味してから職場を選ぶことが大切でしょう。